もっと条件のよい会社に移るのに、辞める側が申し訳なく思わなければならないのでしょうか。自分を育ててくれた会社や、一緒に働いてきた同僚を思うと、なかなかかもしれません。日本のとは、こうした関係を長く支えてきました。会社が長く雇う分、社員にも会社に尽くすことが期待されていたのです。

その背景には、戦後の日本で大企業の正社員を中心に定着した、とがあります。は一つの会社で定年まで働く慣行、は年齢やに応じて給料や役職が上がる仕組みです。会社は新入社員を採用して長期的に育て、社員は社内で経験を積みました。長く勤めるほど報われる仕組みが、会社へのやを支えていたのです。

2026年4月1日のトヨタ自動車入社式
写真引用:トヨタタイムズ · 2026.04.03 · 4月1日の入社式
新入社員を一斉に迎える入社式。会社との関係が始まる場面を、実際の企業事例として紹介します。
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こうした雇用慣行では、会社の都合に合わせて働く姿勢も重視されてきました。社員は部署のや別の地域への転勤を受け入れ、社内でさまざまな仕事を経験します。会社は長い目で社員を育て、社員は自分の配属やキャリアを会社に形です。しかし、家族と離れて暮らしたり、希望する仕事をあきらめたりしなければならないなら、会社へのと自分の生活がぶつかります。

そんな日本で、会社へのは低下しています。10月5日に博報堂生活総合研究所が発表した調査では、「会社へのがある」と答えた割合は24.6%と、この調査で過去最低でした。会社にを持つ人は、約4人に1人だったのです。

博報堂生活総合研究所の会社への忠誠心に関する調査グラフ
調査資料の引用:博報堂生活総合研究所 · 2026.10.05 · 会社への忠誠心に関する調査資料
首都圏・阪神圏の20〜69歳を対象とする調査。24.6%は就業者の回答。
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研究所は、やが弱まる中で、会社だけに頼らず、自分の将来にとする意識が表れていると解釈しています。長く働けば報われるという期待が弱まれば、社員も社外の機会や自分の生活を考えるようになります。会社が一生の雇用を約束しにくくなった今、社員には以前と同じを求められるのでしょうか。

韓国では、給料や労働時間が実際の退職理由に表れています。2026年の若年層の就業に関する調査で、最初の仕事を辞めた理由として最も多かったのは、賃金や労働時間などの労働条件への不満で、44.4%でした。苦労して入った会社でも、働く条件が合わなければ、辞める選択をするのです。

一つの会社に長く勤めれば、経験や信頼が積み重なり、同僚との関係も深まります。一方、その関係のために、よりよい機会や自分の生活をあきらめ続けなければならないなら、負担になります。会社と社員が長く一緒に働くには、お互いにどこまで責任を持つべきでしょうか。会社に長く残る人と、辞める日まで自分の仕事をきちんと人。どちらがよい社員だと思いますか。